4 帰納法で問題点を見つける

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
生涯学習課は、市内に5つある図書館の管理運営を行っています。ある日、ある図書館長から、「最近、本の盗難が増えて、困っている」との電話がありました。そのことを何気なく係長に伝えたところ、「それは、そこの図書館だけの問題か? 他の図書館にも確認してみて」と言われました。慌てて他の4館にも確認すると、同じように盗難が増えていることが判明。これで「盗難の増加は、市内図書館の共通の問題」と断定してしまって良いのでしょうか。

2 解決法
帰納法で、問題点を見つけましょう。

帰納法も演繹法と同様に、論理的思考の1つです。複数の事例から共通点を見つけ、結論を導くものです。例えば、市内に複数あるスポーツセンターすべての利用者数が減少しているならば、「市内のスポーツセンターは利用者へ減少している」と結論付けることができます。

帰納法を活用する場合は、どのような視点で対象をとらえるかが大事になります。CASEでは、「図書館で本の盗難が増加している」との結論でしたが、盗難された図書を詳しく分析すれば、「作家○○○○の本が盗難されている」、「高価な本ばかり盗まれている」のように、さらに詳細な結論を導くことも可能になります。

同様に、お悩みのように1つの事例から複数の事例が当てはまらないかと検証してみる姿勢も大事です。係長の意見がなければ、「市内図書館で、本の盗難が増えている」との結論を導くことはできなかったはずです。このように帰納法を活用するためには、個別から全体へ、具体から抽象へと、視野を拡大することが求められるのです。

3 活用例
①様々な職場で発生している課題から、全庁的課題を見つける
②市内に複数ある福祉センターの利用状況から、福祉センター全体の利用率向上策を考える

4 ワンポイントアドバイス
個別の事象だけにとらわれていると、本当の問題点を見つけることができません。共通の問題点を発見することで、根本的・構造的な改善に結び付けることができます。

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