4 丸投げ上司

困った公務員の傾向と対策

とにかく仕事を部下に丸投げしてくる上司というのも困ったものです。自分は何もしないくせに、ただ部下に仕事を丸投げする上司は、皆さんにも経験があるのではないでしょうか。ただ、この丸投げ上司には、いくつかのタイプがあるように思います。少し整理してみましょう。

①「ただ上の言うことに従順」タイプ
部長や副市長の命令、議員からの依頼があれば、それを断ったり、意見したりすることができず、ただそのまま受け入れる。そして、自分では何の判断はせず、ただ「部長から頼まれたから、この資料を作っておいて」などと、そのまま部下に仕事を渡す。

②「自分で判断・処理できない」タイプ
本来であれば、上司自身が判断・処理すべき業務であるにも関わらず、理解不足や判断や処理をしようという意識が欠如していて、ただ部下に仕事をそのまま渡す。理解不足の場合は、明らかにその役職を全うするだけの能力に欠けている。意識欠如は、ある程度の年齢になり、仕事に対するやる気を失っていることが多い。

③「ただただ自分が楽をしたい」タイプ
面倒な仕事は、すべて部下に押し付けて、ただただ自分は楽をしたいと考えている。ただ、そのことを前面に出してしまうと、部下から総スカンを食うので、表面的には「この仕事は、君の成長につながるから」などと、ていのいいことを言ったりする。

④「自分は偉いと信じている」タイプ
自分は偉いので、部下に仕事を丸投げするのは当然と思っている。自分の役職にあぐらをかき、部下をあごで使うが、そのことに何の疑問も罪悪感も持っていない。反対に、そのように丸投げすることで、部下を育成しているくらいに感じていることも。意外にも公務員の中にも多い。

⑤「仕事とはそういうものと達観」タイプ
「仕事とは上から指示されたものをやること」と達観している。上司や議員から頼まれたことを断ったり、意見したりしても無駄と考えており、とにかく、上の言うことをやっておけば良いと悟ったような顔をしている。公務員には多い。

おそらく上記以外にもタイプがあると思いますが、ひとまずここまでにしておきます。問題は、このような丸投げ上司のタイプの分析よりも、これにどのように対応するかが大事だからです。ただ、その前にこうした丸投げ上司の職場は、どのような状態になるかについても見ておきましょう。

まず、当然のことですが、部下は上司を信用しなくなり、部下のモチベーションは下がります。上司は何の判断も指示もせず、ただ言われたことを部下に渡すだけですので、部下が上司を信用しなくなるのは、自明の理でしょう。こうなると、すべての部下にとって「いかに仕事を振られないようにするか」ということが最大のテーマになります。

このため、なるべく上司と話をしない(話をすると仕事を頼まれるから)、上司が自席にいるときは忙しいふりをする(暇そうだと狙われるから)、上司と目を合わさない(目が合うと話しかけてきてしまうから)、といった態度になってしまうのです。

そして、定時になったら、皆逃げるように職場を後にするのは言うまでもありません。こんな状態の職場は実際にあります。仮に、異動でその職場に配属になってしまったら、きっと「自分は、前世で何か悪いことをしてしまったのだろうか」と悩むことでしょう(合掌)。

さて、問題はこの丸投げ上司に、どう対抗するかです。1つの方法は、この丸投げ上司の上司に相談しにいくことです。課長が丸投げ上司ならば、部長のところに行って窮状を訴えるのです。ただ、1人で行くのはさすがに躊躇すると思いますので、できれば係長などを伴っていった方が良いでしょう。

不幸中の幸いと言えるかはわかりませんが、このような職場は、「反上司」で部下は一致団結していることが多いので、結構、この方法は選択しやすいのです。人事課に訴えるという方法もあるでしょう。

ちなみに、そのような相談をする前に、実際に仕事が丸投げされてしまうこともあるでしょう。その場合は、上司から指定された締切日ぎりぎりに「おそらくこの内容では、上司も困るだろう」と思われる「出来の悪いもの」を提出するなども1つでしょう。一度これができれば、次から仕事を振られないというメリットが得られるかもしれません。勇気のある方は、一度お試しを。

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