昇任面接で、本音トークやぶっちゃけ話を前面に押し出してくる受験生もいます。しかし、これもNGです。
<ポイント>
1 本音だから良いわけではない
2 行政問題でも注意が必要
1 本音だから良いわけではない
例えば、「あなたの係に、係長であるあなたに反抗的な職員がいます。この時、あなたはどのように対応しますか?」との質問があったとします。こうした時、次のように回答する人がいます。
「そうした職員は、確かにいます。今までの経験上、そうした職員は指導しても効果はほぼないので、結局は時間のムダになります。このため、もうその職員はいないものと思って、無視します」
実際のところ、係長との関係が悪化してしまい、結局、どちらかが異動するまで、両者のいがみ合いは収まらないということは、よくあります。このため、先の受験生の回答も、わからないこともありません。
しかし、やはり昇任面接の回答としては適切ではありません。これは、面接官の立場になって考えてもらえば良いのですが、そのような受験生に合格点はつけられないのです。
受験生としては、相手がベテランの管理職なので、先のような経験を十分わかってくれるはずだという気持ちがあるかもしれません。「この気持ちをわかってくれますよね」と思っているかもしれません。
しかし、先のような回答であれば、「係長に反抗的な職員は無視して良い」となってしまいますので、面接官としも認めるわけにはいかないのです。
回答例としては、「その職員を会議室に呼び、1対1で話をします。そこで、なぜ反抗的な態度を取るのか、係長である私に対して不満を思っていることがあるのか、などについてその職員とよく話し合います」などとなります。
その話し合いによって、係長と職員との関係が改善されて、反抗的な態度がなくなれば、それで問題解決です。しかし、話し合いをしても反抗的な態度を取るであれば、課長に相談するなどが基本的な回答になります。
本音だから良いというわけではなく、やはり理想と現実を踏まえた上で回答することが重要になります。
2 行政問題でも注意が必要
なお、こうした本音トークは、部下指導などの組織のマネジメントだけに限りません。行政問題でも、想定されます。
例えば、「現在、特別養護老人ホームの待機者が多く、市では施設整備等を進めています。しかし、それでも待機者は減りません。あなたは、どのように対応すべきと思いますか」との質問があったとします。
これに対して、「特別養護老人ホームの整備には広い土地や多額の予算が必要で、非常に困難です。このため、待機者を減らすことはできないと思います」などと答えることです。確かに、実質的に無理という自治体はあるかと思います。
しかし、市として「施設整備をして、待機者を減らす」という目的を掲げているならば、それに沿った答えをしなければなりません。行政の掲げる方針と異なる回答は、適切ではありません。
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