各章の冒頭には、タイトルを付けます。実際に、このタイトル名が大きく採点に影響することはありませんが、あまりに違和感のあるタイトルでは困ります。
<ポイント>
1 文学的表現は不可
2 結論以外はテーマに関連付ける
3 結論のタイトルはテーマに関係なくても構わない
1 文学的表現は不可
文学的表現のタイトルは不可です。具体的には、「〇〇市を変革するのは、私たち!」、「時代の荒波に立ち向かって」、「今こそ、私たちの手で改革を」のようなものです。
論文本文にも言えることですが、昇任論文はあくまで行政の実務担当者としての意見を述べるものです。このため、広告コピー、選挙ポスターのキャッチフレーズ、詩、小説のような感情的な表現は適当ではありません。
2 結論以外はテーマに関連付ける
では、具体的なタイトルの付け方についてです。まず、結論(最後の章)以外を考えていきましょう。
1章は、これまで述べたとおり、与えられたテーマの重要性を述べるのが役割ですから、それに応じたタイトルにします。具体的には、「今、求められる職場のコミュニケーションの活性化」、「期待される係長のリーダーシップ」などです。テーマは、市政の喫緊の課題ですから、それをタイトルにすれば良いのです。
また、1章の冒頭では、市政を取り巻く環境などについて言及することが多いため、単に「市政をめぐる状況」、「大きな転換期にある〇〇市」など、市政一般の状況を示すタイトルもよく用いられます。こうしたタイトルでも構いません。
次に、解決策です。これは、テーマに対する解決策を述べる、3章構成の本論、 4章構成の3章に該当する部分です。この解決策のタイトルはテーマに関連付けて、「コミュニケーションの活性化の方策」、「リーダーシップを発揮するために」などとなります。
ここでは、テーマに対してきちんと答えていることを示すためにも、テーマの文言を活用した方が良いでしよう。テーマの文言を用いないと、採点官が「テーマに対して、答えていないのでは?」と考えてしまうので注意が必要です。
また、4章構成の問題点(2章)も、「職場におけるコミュニケーションの課題」、「係長のリーダーシップの問題点」などと、やはりテーマに関連付けます。
なお、3章構成の場合、序論(1章)と本論(2章)ともに、テーマの文言を用いると、似たタイトルが続いてしまうので注意が必要です。その場合には、序論(1章)は市政一般の状況を示すタイトルの方が良いでしよう。
3 結論のタイトル
最後の結論部分のタイトルは、特にテーマに関連付ける必要はありません。「信頼される市政運営のために」、「職場のリーダーとして」のようなもので構いません。
「論文のまとめ」と「決意表明」のどちらかに関連する内容で、タイトルを付ければ十分です。
昇任論文の書き方は、次の2冊がおススメです!
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