公務員昇任試験における論文対策について説明します。自分自身、主任・係長・管理職のそれぞれの試験でとても苦労しましたが、いずれも1回で合格することができました。
また、その後、管理職になり実際に昇任論文を採点する立場になりました。こうした様々な経験を踏まえて、できるだけわかりやすくご説明したいと思います。少しでも、皆さんのお役に立てば幸いです。
<ポイント>
1 3章構成か4章構成で書く
2 評論でなく、昇任したら何をするかを書く
3 解決策を3つ書く
4 敬体でなく常体で書く
1 3章構成か4章構成で書く
昇任論文は、3章構成か4章構成で書きます。章に分けず、雑誌や新聞の記事のように、もしくはエッセイのように、ただダラダラと最初から最後まで書くのはダメです。
また、単に3章構成・4章構成であれば良いというものではなく、各章に書くべきことは決められています。さらに、各章にはそれぞれタイトルを付けます。
2 評論でなく、昇任したら何をするかを書く
論文と聞くと、大学の卒業論文や研究者の論文を想定してしまう人がいます。こうなると、文体は「~すべきである」、「~と考えられる」などの評論になってしまいます。しかし、昇任論文では、こうした表現や視点は、そもそもダメです。
「私は、主任として積極的に係長を補佐する」のように、行政の実務担当者として昇任したら何をするかを書きます。このため、「昇任論文は誓約書だ」という人もいるくらいです。
3 解決策を3つ書く
3章構成であれ、4章構成であれ、昇任論文では解決策(昇任して何をするか) を3つ書きます。3章構成であれば、2章(本論)に書きます。
4章構成の場合は、2章で問題点を指摘し、3章でその問題点に対する解決策を書きます。その3つの視点は、当日の問題(テーマ)に対して、広い視点から捉えたバランスのある3つにすることが望まれます。
4 敬体でなく常体で書く
敬体とは、「~です」、「~ます」などの丁寧な表現で、常体とは、「~だ」、「~である」の普通の文体です。昇任論文は、採点官に読んでもらうものですが、敬体でなく常体の表現を用います。
また、論文では敬語を使いません。このため、「ご高齢の方」は「高齢者」、「お子さん」は「児童」、「本市にお住まいの方」は「市民」などと表記します。
以上、昇任論文の書き方について説明しました。これらは論文の型とも呼ばれます。「なぜ3章構成なの?」、「解決策は3つでないとダメなの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、この「型」に理由はありません。
「昇任論文とは、そういうもの」なので、割り切ることが必要です。過去の合格者も採点官も、それに従って合格してきたのですから、これらに「なぜ?」と追求しても、時間のムダになってしまいます。注意してください。
昇任論文の書き方については、以下の書籍がとてもわかりやすく説明されています。おススメです!
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