2 同じ質問に答えるのは2回まで

格言集

若手時代に、実際に先輩に言われた言葉です。新人時代にいた福祉現場から一転して、官房系の内部管理部門に異動しました。これまで、外回りで市民宅を訪問する業務とは全く異なり、一日中、デスクワークとなったのです。

これまでに全く従事してこなかった業務のため、右も左もわからず、とにかく先輩に質問ばかりしていました。ある時、「すみません。以前にも、何回か聞いたかもしれないのですが、〇〇のことをお聞きしたいのですが…」と、ある先輩に切り出したのです。

その時、普段は優しい先輩の顔色が変わり、厳しい口調でこう言ったのです。「同じ質問に答えるのは2回まで」と。先輩曰く、「人間だから、間違えることは確かにある。だから、同じ質問には2回までは答える。しかし、3回同じ質問をするのは、メモを取らなかったお前が悪い。だから、教えない」と。

その時は、慌てて謝って、何とか許してもらったのは言うまでもありません。しかし、それからは、教えられたことは、必ずメモすることが習慣となりました。なぜなら、「もう教えてもらえないかも」という恐怖感があったからです。仕事のやり方がわからずに困るのは、もちろん自分です。それでは、困ってしまいます。

しかし、このメモが習慣になったおかげで、仕事がはかどるようになったのも事実です。自分の言葉で記述しているので、わかりやすく、かつ自分の置かれている状況に最も適した内容になっていたからです。これで、「以前に教わった仕事が、きちんと同じ結果を生み出すことができるか」という、仕事の再現性の重要性を知ることにもなりました

この「同じ質問に答えるのは2回まで」は、自分が教える立場になってからは、私が後輩などに言うフレーズになりました。先の先輩が言ったように、「同じ質問を3回するのは、その職員のミス」なのですから。しかし、これは指導方法として、効果があったように思います。実際に、後輩もこのようにしてメモを習慣化して、仕事を効率的に行うようになったからです。

ただ、このフレーズは、使えない場面があります。そうです、議員からの質問です。議会答弁で、「そのご質問には、以前にもう何回もお答えしました。だから、もう答えません」などと言ったら…。勇気ある方は、お試しくさい。

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